Tomorrow Never Dies (1997年/主演:ピアース・ブロスナン) トゥモロー・ネバー・ダイ オメガ シーマスタープロフェッショナル 2531.80 登場シーン解説 ![]() ![]() この特殊機能を備えた時計は、終盤でウェイ・リン(ミシェル・ヨー)のセーフハウス(秘密のアジト)で調達する。 多数の武器が並んでいるところから、ボンドはこのシーマスターを取り上げ(2時55分ぐらいを指している)、「見覚えがある」と言う。 そこでウェイ・リンは「改良型よ」(Improvement)と言う。中国情報部によって改造されたシーマスターということだろうか。 しかし私は「イギリス情報部の支給品説」も考えられると思う。それは、同じ部屋でワルサーP99を見つけてボンドは「Qに頼んでいたやつだ」というのである。 (そのとき意味深なやりとりがある) これが事前にイギリスから届けられた物ということをほのめかす描写であれば、 そのシーマスターもQが作ったものと考えることができる。残念ながら詳細は不明だ。 シーマスターを取り上げたボンドは3回ほどリューズを巻いただけで胸ポケットにしまっている。 画面では他にもカルティエのサントスや金無垢のタグ・ホイヤーのような時計が確認できる。 またコンビでジュビリーブレスのロレックスのような時計もあるが、文字盤やベゼルなどからみてパチモノか? ボンドは他のものには目もくれずシーマスターだけを取っているというのも興味深い。 他に作品を通して気になる点としては中盤でのシーマスターの行方だ。ボンドが米軍基地で海軍の制服を着ているシーンではシーマスターをしているが (スカイダイビング(HALOジャンプ)と水中のシーンではしているかどうか不明である)、その後、ウェイ・リンと捕まって手錠で繋がれているときには(手錠がジャマなのか)つけていないので、 どこかで外したようだ。おそらくはスタンパーたちに捕まってヘリで移動するときに没収されたのかもしれない。 その後で前述のとおりウェイ・リンのセ−フハウスで新しいシーマスターを調達するわけで、 作品中では2つのシーマスターを使用していたことになるという点にも注目しておきたい。 ![]() ![]() ![]() ![]() 肝心の特殊機能だが本作も前作同様、起爆装置としての役割にとどまった。ただ『ゴールデンアイ』のように特殊な爆弾に 信号を送るものと違い。手順がやや面倒だ。ビンに手榴弾を入れて、シーマスターのヘリウムエスケープバルブの周辺を外したものと 「雷管(起爆剤)のようなもの」をテープで巻きつける。そして時計本体からの遠隔操作によりビンが割れるという仕組みだ。 したがってその時計の一部分には遠隔操作でビンを割る程度の力しかないようだ。ボンドはカーヴァーのステルス艦の弾薬庫(?)でそのビンのようなものと手榴弾を調達するのだが、 もしどちらか手に入れられなかったら時計が活躍することもなかったし、ボンドの命も危ういところだったろう。 ベゼルを数目盛りずらすとインデックスの外周が青白く光り(カッコイイ!)、手榴弾をセットしたガラスのビンが割れる。 機械式というのに、LEDを点灯させたり、遠隔操作できる電力が供給されるのは不思議!といってもあまり魅力的な機能とはいえないのが残念である。 なお、シェリル・クロウが歌う主題歌のバックではシーマスターのX線映像も見ることができる。ちゃんと機械式の針の動きをしているのもわかる。 ![]() 時計解説 ![]() ![]() 前作『ゴールデンアイ』ではクォーツモデル(2541.80)だったが、本作では機械式(自動巻)モデルとなっている。 ボンド役のピアース・ブロスナンが来日した際は、オメガと契約しているにも関わらず、カルティエの時計をしていた。記者会見の席上ではどうだったかは確認していないのだが、 雑誌や映画誌に掲載されたホテルでのインタビューではカルティエをつけている。また97年には雑誌の表紙で思いっきりそれとわかるカルティエのタンク・フランセーズをしている。 オメガとどういう契約になっているのかわからないが、91年にガンで亡くした愛妻カサンドラ・ハリス(『ユア・アイズ・オンリー』に出演していた)が カルティエを愛用していたということも関係しているのかもしれない。 |