MOONRAKER (1979年/主演:ロジャー・ムーア)
 007 ムーンレイカー


 セイコー デジタル メモリーバンク DGJ018



登場シーン解説

普通のビジネス時計だが 中には爆薬が
有線式の爆破装置 プラスチック爆弾を張り付ける

柱の陰でボタンを押して起爆

ムーンレイカーの発射台に閉じ込められたボンドたちが間一髪で逃げ出すことができたのは、この時計のおかげだ。 起爆装置から爆薬まで揃った携帯用爆弾セットといえるこの時計は、 裏ブタを開けてそこに入っているプラスチック爆弾をセットし時計の操作で爆破するという物だ。 後の『ゴールデンアイ』『トゥモロー・ネバー・ダイ』では 遠隔操作による起爆が可能になるが、これは爆弾と時計がワイヤーで繋がれている有線式のもの。 普段から爆薬を手首に巻きつけて行動するのはちょっと勇気がいる。

また劇中、ボンドは水中での格闘シーンでもこの時計を着けている。 この時代の時計なので防水のレベルは日常生活防水か非防水かというところなのだろうが、 この時計はその後もとりあえず機能しているようなので大丈夫なのだろう。



時計解説

サブリミナル広告?

劇中、ボンドが救急車の中で格闘しているシーンで、走行中の救急車の背景にセイコーの看板がバッチリ映っているのが確認できる。 同様に清涼飲料の「7UP」の看板もいくつかの場所で映っている。以前から劇中のタイアップ広告はたくさんあったが(同じ制作会社の映画からソニー製品にいたるまで) これはかなり露骨で分かりやすい部類だろう。

また日本での公開当時にセイコーは映画とのタイアップで「チェックメイト」というモデルの広告を展開していたが、チェックメイトは劇中で使われたモデルではなかったようだ。

海外では同じタイアップ広告でもちゃんと劇中で使用されたモデルが使われていたらしい。しかし日本では半年遅れで公開されたこともあって、セイコー本社が最新モデルのチェックメイトを売り出そうと考えた可能性が高いとのこと。
(Thanks! 中山さん)

このような事情から、日本ではチェックメイトを『ムーンレイカー』で使われた時計だと思っていた人が多いのではないだろうか。私は当時を知らないが、ジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)の絵があってチェックメイトと書かれているタイアップ広告を何かの雑誌ちらっと見たことがあったのですっかりそうだと思い込んでいた。 きっと劇中のものと見比べれば違うということは一目瞭然なのだろう。

追記
TASAKAさんより貴重な情報を頂いた。どうやらこのモデルはムーンレイカー公開当時の79年6月付のセイコーのカタログに出ていたようだ。
セイコーデジタル メモリーバンク DGJ018 というモデルで価格は30,000円とのこと。
(Thanks! TASAKAさん)



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