NO TIME TO DIE (2021年/主演:ダニエル・クレイグ)
 ノー・タイム・トゥ・ダイ


 オメガ シーマスター ダイバー300 コーアクシャル マスタークロノメーター 42MM 007エディション 210.90.42.20.01.001
 (媒体等により名称が異なることがあります)



登場シーン解説



冒頭のイタリアにてヴェスパーの墓を訪れるシーン。スペクターに仕掛けられていた爆弾(どう考えても即死レベルの爆風だが)でボンドは吹っ飛ぶも無事。 そして、敵に追われるシーンで何度か映る時計は3連の金属ブレスのように見えることに注目。 後に登場する本作のメインとなるシーマスターは特徴的なメッシュブレスであり、前作『スペクター』のラストシーンでつけていたヴィンテージな革バンドの時計でもない。

主題歌後に「FIVE YEARS LATER」(5年後)という説明があるので冒頭のマドレーヌとの逃避行は5年前の話。 したがって現在の話になってから同じ時計(それも最新!?)を5年以上つけているというのもややこしくなるのか大写しにはしないので違う時計という扱いだろう。 海外サイトでは『スペクター』の冒頭で使っていたシーマスターアクアテラの型番が掲載されているところもあり(クリスティーズのオークションにでたアクアテラにその記述があった模様)、 たしかにあれはたぶんボンドの私物の可能性が高いのでまたつけていたとしてもおかしくはない。




ボンドはライターの計画に乗ることになり、ボートでの移動中にようやくシーマスターとわかる時計が映る。 文字盤は映らないもののメッシュ状の独特なブレスがよくわかる。 その後、ライターの部下、アッシュの裏切りが発覚し、閉じ込められた船が沈没、なんとか脱出して救命ボートで生還。 やはり水中での任務が多いボンドはシーマスターのようなダイバーズウォッチでなければならないことがよくわかる。




このシリーズではおなじみのMの部屋にて。「デスクが大きくなった?あなた(M)が縮んだ?」という会話で始まり 最後に「デスクは同じだ!」と吐き捨てて部屋を出ていくボンド。なおマネーペニーのデスク横のゴミ箱に「VISITOR」の入館証をノールックで投げ入れるのは過去の作品のオマージュ。




マドレーヌの家でマチルドにリンゴの皮をむいてあげていたときもよく目立っていた。




装備を整えサフィンの拠点へ軍用機で移動中。いつもの軽妙なやり取りをしながらQから受け取る電磁パルス(EMP)発生装置を内蔵したシーマスター。 それまでボンドがつけていた私物を機内で改造したのか、ボンドがリクエストした機種を用意して製作されていたのかは不明。 ケースがチタン製のオリジナルと違い、こちらは裏ブタからケースをはみ出すような形で黒い樹脂?で覆われていて、 さらに本体内部にコイル状になった銅線のようなものとブレスの裏側に薄型のフィルム状の金属が貼り付けられているのがわかる。

ボンドの「どれくらい強い?」(How strong is it?)という問いに、Qは「強いはずです」(It's fairly strong.=それなりに、なかなか強い)と 抽象的な答えで返すいつものやりとり。




サフィンの拠点“ポイズン・ガーデン”においては侵入時にQの指示でセキュリティシステムをダウンさせるのに使用。 暗くてはっきりとは見えないがグローブをしていることからベゼルを回転させてEMPを作動させているように見える。




サフィンに土下座をして頭を下げる(007らしくない!)シーンでも映るのだが、気のせいかもう少しはっきり映ってもいいはずの時計の文字盤がぼやけ気味。 土下座で謝るシーンで映るのはプロモーションとしてふさわしくないからということもあるのだろうか。
そして極めつけは、プリモとの格闘で最終的に機械でできた義眼をシーマスターが発生させた電磁パルスで破壊して倒す。 これもはっきりとわかりづらいが、ベゼルを回転させて装置を起動させているように見える。

その直後にボンドの右耳の通信機にQからの無線が入るわけだが、 事前のQの説明で「限定区域内に電磁気パルスを発し」(It contains a limited-radius electromagnetic pulse.)という説明があったから 本当に近い範囲のみ有効なのだろうが、左手首から距離が離れているからか無線機に強力な耐磁性能があるのか普通に機能しているのはご愛敬。



時計解説

ケースもブレスもチタン製のためボリュームの割には軽量で、精度の高いマスタークロノメーター、そして15000ガウスのにも耐えられる耐磁性能のあるムーブメントを搭載。

以下のページにはダニエル・クレイグとオメガの関わりについて掲載されている。 前作のスペクターのNATOストラップもそうだが、ブロードアローの刻まれた文字盤やメッシュのブレス、ドーム型ガラスなどヴィンテージ風のデザイン、 そして軽量化などについて、クレイグ自身のリクエストが取り入れられているようだ。

【ファン必見】『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』にてキャストが着用しているOMEGAのタイムピース
https://screenonline.jp/_ct/17485259

このブレス、チタン製でメッシュ状になっていて、劇中で写るシーンによっては一瞬、黒いウレタンや皮バンドに見えるときがあるが、 ラグに近いばね棒の部分が光っているのでやはりこの007モデルをつけているようだ。

また、過去のシリーズでもあったように本作でもボンド以外の登場人物、ノーミやM、マネーペニーなどもオメガの時計を使用しているほか、 映画の公開や60周年の記念に合わせてオメガからはいくつか限定モデルも発売されている。


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